ニキビとは
ニキビは毛穴に角栓が詰まり、アクネ菌などの常在菌が繫殖し炎症が起こることで発症します。思春期はホルモンバランスが乱れるため、皮脂の分泌量が過剰になり、ニキビが発生しやすい時期です。ニキビの原因は、ストレスや疲労、偏食などが挙げられます。また、毛穴周囲の皮膚角層で角化異常が起こることで毛穴が詰まり、ニキビが発生することもあります。ニキビは重症化した場合、保険診療では治療が難しくなる可能性もあるため、お早めに当院までご相談ください。
ニキビの種類と症状、対処法について
ニキビは進行性の疾患で、進行度に応じて「白ニキビ」「黒ニキビ」「赤ニキビ」「黄ニキビ」に分類されます。種類に応じて適切な治療が異なり、種類に応じた治療を受けないと、徐々に進行していき、ニキビを繰り返す、ニキビ跡が残ってしまう可能性があります。以下では、各段階のニキビについての性状や治療法を解説します。
白ニキビ
白ニキビは、小さく少し隆起したタイプです。毛穴に皮脂が溜まることで発生し、皮脂が白く見えます。ニキビができてすぐの段階で、炎症も起こっていません。治療は比較的簡単です。なお、触ったり無理やり取り除こうとしたりすると炎症が発生するため、触らないように気を付けましょう。
白ニキビの対処法
炎症が発生していないため、基本的なスキンケアをしっかり行うことが大切です。日頃から適切な方法で洗顔を行い、皮脂などの毛穴の汚れを取り除きましょう。洗顔では力を入れて擦らず、洗顔料をしっかり泡立て、優しく洗うようにしてください。また、バランスの整った食事を摂り、規則正しい生活を送ることも大切です。
白ニキビの治療
過酸化ベンゾイル(ベピオ)、アダパレン(ディフェリン)などの治療薬を使用します。また、毛穴の詰まりを除去するピーリング石けんなども効果的です。
黒ニキビ
毛穴に溜まった皮脂が空気に接触して酸化することで、黒っぽい色に変化します。黒ニキビも炎症は起こっていません。黒い見た目で心配される方も多いですが、ケア用品選びには注意が必要です。市販の角栓パックを使用する方も多くいらっしゃいますが、皮膚に強い刺激を加えることで、毛穴が開いて細菌が入り込みやすい状態になってしまい、炎症が起こる恐れがあります。これ以上悪化させないことが重要なため、基本的なスキンケアを徹底しましょう。
黒ニキビの対処法
白ニキビと同様に適切な方法でスキンケアを行い、皮脂などの汚れを取り除きましょう。また、バランスの整った食事を摂り、規則正しい生活を送りましょう。
黒いため目につきやすいですが、無理に除去しようとすると毛穴が開き、乾燥や皮脂の分泌の増加を招く恐れがありますので、触らないようにしましょう。
黒ニキビにお勧めの治療
白ニキビと同様に過酸化ベンゾイル(ベピオ)、アダパレン(ディフェリン)などの治療薬を使用します。また、毛穴の詰まりを除去するピーリング石けんなども効果的です。
赤ニキビ
アクネ菌などの常在菌が繫殖し、炎症が起こっている状態です。かゆみや痛みも伴います。
アクネ菌は毛穴に詰まった皮脂を栄養源とし、排泄物が膿となり炎症が悪化していきます
赤ニキビまで進行してしまうとニキビ跡が残りやすくなってしまいます。なお、痛みやかゆみが気になって触ったり、潰したりしないようにしてください。
また、炎症が起こっている間は、メイクが悪化の原因となることがありますので、薄く塗るようにすると良いでしょう。
赤ニキビの対処法
赤ニキビを解消するには炎症を抑える必要があります。スキンケアに加え、炎症を抑制するお薬の使用が有効です。ニキビ用の治療薬は様々なものが登場していますが、ご自身の肌に合うものを使うようにしましょう。使用しているお薬の効果が不十分な場合は、早めに当院までご相談ください。
赤ニキビにお勧めの治療
炎症の抑制・肌質を改善するお薬を使用することで、赤ニキビを早期に解消し、再発を抑えることが可能です。当院では、各患者様のニキビの状態・肌質に応じて、内服薬・飲み薬・漢方薬の中から適切なお薬を選択しています。
黄ニキビ
赤ニキビが悪化すると、毛穴に膿が溜まり始め膿が黄色く見えます。黄ニキビはニキビが最も悪化した状態で、ニキビ跡として残る可能性が高いです。膿は毛穴の深部まで溜まっており、気になってご自身でニキビを潰してしまった場合、細菌が侵入して皮膚深部にダメージが及び、ニキビ跡になってしまいます。そのため、黄ニキビは潰さず、お早めに当院までご相談ください。
黄ニキビの対処法
炎症と化膿を抑える必要があります。黄ニキビは色素沈着やニキビ跡になる可能性が高く、セルフケアだけでは改善が困難です。黄ニキビは化膿した状態で、怪我や疾患と同じようなものと捉えていただき、早めに受診いただくことが必要です。
黄ニキビにお勧めの治療
炎症と化膿を抑えるために内服薬を用いた治療を行うことがあります。また、ニキビ跡を防ぐために肌質を改善する治療を併せて行います。当院では、各患者様のニキビの状態・肌質に応じて、内服薬・飲み薬・漢方薬の中から適切なお薬を処方します。
皮膚科で行うニキビの治療
塗り薬
毛穴に詰まった汚れを除去し、炎症を抑える塗り薬を処方します。
- ディフェリンゲル®(アダパレン)
- ベピオゲル®(過酸化ベンゾイル)
- エピデュオゲル(過酸化ベンゾイル+アダパレン)
- デュアック配合ゲル®(クリンダマイシン−過酸化ベンゾイル)
増殖したニキビ菌を減らし、赤みや腫れを改善します
- ゼビアックスローション®(オゼノキサシン)
- アクアチムクリーム®(ナジフロキサシン)
- ダラシンTゲル®(クリンダマイシンリン酸エステル)
飲み薬
増殖したニキビ菌を減らし、炎症と腫れを改善するための飲み薬を処方します。
- マクロライド系抗生物質
- ニューキノロン系抗生物質
- テトラサイクリン系抗生物質
ニキビ治療のポイント
早めの皮膚科受診を
患者様によっては、異なったタイプのニキビが同時に発生していることもあります。当院では患者様のニキビや肌の状態、お悩みに応じて適切な治療を行っています。炎症を放置して色素沈着やニキビ跡になることを防ぐため、早めに当院までご相談ください。
治療は地道に粘り強く
ニキビは慢性的な皮膚炎で治療を行ってもすぐに改善することはありません。再発を防ぐためにも根気強く治療を続け、皮膚を正常な状態に近づけましょう。