TOPへ

日進市で糖尿病内科をお探しならたがやクリニックへ

日進市で糖尿病内科をお探しなら当院へ

血糖イメージ糖尿病の管理には、早期の発見と継続的なケアが欠かせません。当院では、患者様一人ひとりに合わせた個別の血糖コントロール目標値を設定し、最適な治療プランを提供しています。糖尿病治療は、個々のライフスタイルや健康状態に応じて異なるため、当院では運動療法、食事療法、薬物療法を組み合わせたオーダーメイドの治療プランを検討し、無理なく継続できる治療を目指しています。
さらに、糖尿病治療だけでなく、合併症の予防にも力を入れています。定期的な検査と適切な指導を通じて、合併症の早期発見と予防を行い、患者様が全体的な健康状態を維持できるようサポートします。糖尿病の放置は、腎臓や視力、神経などに深刻な影響を及ぼすことがあるため、早期の治療と管理が重要です。
日常の診療においては、通院が不規則になったり、治療を中断する患者様も少なくありません。その大きな原因として挙げられるのが、医療へのアクセスの問題です。予約が取りづらかったり、診察や会計に長時間の待ち時間がかかることで、通院が負担になり、結果として治療が滞ることがあります。当院では、患者様が通院しやすい環境作りに力を入れています。予約の柔軟な対応や、待ち時間の短縮を心がけ、患者様にとって負担の少ない診療を提供することで、通院の継続をサポートしています。
「糖尿病が疑われる」「健康診断で血糖値が高いと言われた」という方は、どうぞお気軽に当院にご相談ください。

このような症状はありませんか?

2型糖尿病の初期は無症状の場合が多く、ゆっくり症状があらわれます。

  • のどが渇く
  • お腹がすぐにすく
  • 尿の回数が増える
  • 疲労感が強い
  • 皮膚が痒くなる
  • 傷が治りにくい
  • 目がかすむ
  • 感染症にかかりやすい など

糖尿病とは

糖尿病について、多くの人は「血糖が高くなる」「メタボリックシンドロームの人に多い」「尿が甘くなる」「インスリンの注射が必要」といった印象を持っているかもしれません。
薬がなかった時代、糖尿病は「尿から大量の糖が出て、やせ細り、その後死に至る病気」として恐れられていました。1920年代に「インスリン」が発見され、治療が可能となったことで、糖尿病を発症しても長生きできるようになりましたが、一方で糖尿病による合併症で苦しむ人が増えてきました。
このインスリンは、膵臓で作られる血糖を下げる唯一のホルモンです。食事を取った後、血糖値が上がりますが、インスリンの分泌によって速やかに血糖値は正常に戻ります。しかし、インスリンの分泌が不十分であったり、インスリンの効果が弱くなっていると、血糖値が下がらず高血糖が引き起こされます。この高血糖が続くと糖尿病を発症します。
私たちの体は、血液中の糖(グルコース)をエネルギーとして利用し、脳や筋肉、内臓を働かせ、生命活動を維持しています。インスリンは全身の細胞に糖を取り込ませたり、肝臓や筋肉で糖を貯蔵し、さらに貯蔵した糖の分解を抑える役割を担っています。また、余った糖を脂肪として蓄える働きもあります。

糖尿病の種類

1型糖尿病

1型糖尿病は、膵臓に障害がありインスリンを作ることができないため発症します。

2型糖尿病

2型糖尿病は、主に生活習慣病や肥満、加齢などが原因でインスリンの分泌が不足したり、インスリンの効き目が低下することによって発症します。糖尿病の90%以上は2型糖尿病です。

1型2型

糖尿病の三大合併症について

血糖値が高い状態が続くと、血液がドロドロになったり、血管にダメージを与えたりします。つまり、糖尿病は時間をかけて「血管をボロボロ」にする病気です。細胞一つひとつに酸素や栄養を運ぶために、「血管」は体中に張り巡らされています。すなわち、糖尿病の治療が十分でないと、知らず知らずのうちに全身にさまざまな「合併症」が起きてきます。
特に細い血管が傷つけられて生じる細小血管レベルの糖尿病合併症には、糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症があります。これらの合併症は、「神経(しんけい)」、「目(め)」、「腎臓(じんぞう)」の頭文字を取って「しめじ」と呼ばれます。
しめじ
大血管レベルの糖尿病合併症には、足壊疽、脳梗塞、虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)があります。
「えそ」、「のうこうそく」、「きょけつせいしんしっかん」の頭文字をとって、「えのき」と呼ばれます。
えのき

糖尿病の検査

糖尿病の診断基準

インスリンの分泌には、生命維持のために必要なエネルギーとの釣り合いをとるために一日中少しずつ分泌される「基礎分泌のインスリン」と、食事後などに血糖値を過度に上昇させないように多く分泌される「追加分泌のインスリン」の2種類があります。インスリンの「基礎分泌」が障害されると、肝臓からの糖放出が抑えられず、空腹時の血糖値が上昇します。一方、インスリンの「追加分泌」が障害されると、食後の血糖値が上昇します。
糖尿病の診断には、空腹時血糖値、随時血糖値(食事と採血の時間は問わない)、75gOGTT(ブドウ糖負荷試験)後2時間の血糖値、およびHbA1c(血中の糖化ヘモグロビン)の測定が必要です。
検査結果に基づき、「糖尿病」「糖尿病型」「糖尿病の疑い」のいずれかに分類されます。
糖尿病_診断基準

血糖値

血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の量のことです。ブドウ糖は、食べたものが消化されて、私たちの体が動くためのエネルギーとして使われます。たとえば、ご飯やパンなどの糖質が多い食べ物を摂ると、体内でブドウ糖に分解され、血糖値が上がります。これは、体がエネルギーを得るための自然な反応です。
食事をすると、ブドウ糖が血液に取り込まれるため、食後に血糖値は一時的に上昇します。しかし、食べたものが消化・吸収されると、体はそのエネルギーを使い、やがて血糖値は下がっていきます。一方、空腹時には体が食事から得たエネルギーが使い切られ、血糖値は低くなります。それでも、体は肝臓に蓄えたエネルギーを利用して、一定の血糖値を保つようにしています。

HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワンシー)

HbA1c(ヘモグロビンA1c)は、過去1〜2か月間の血糖値の平均を示す指標であり、瞬間的な血糖値の変動とは異なり、長期間の血糖管理の状態を反映します。ヘモグロビンは赤血球の中に含まれるたんぱく質で、酸素を運ぶ役割を持っていますが、このヘモグロビンにブドウ糖が結合してHbA1cが形成されます。血糖値が高い状態が続くと、より多くのヘモグロビンがブドウ糖と結合し、HbA1cの値も上昇します。つまり、HbA1cは日々の血糖値の安定性や平均的な管理状況を示す重要な指標で、糖尿病患者における血糖コントロールの指標として用いられます。

HbA1c急に上がる原因

食事の乱れ

食事のバランスが崩れると、血糖値は乱れやすくなります。特に糖質の多い食事や間食を頻繁に摂ることが続くと、血糖値が高く維持され、結果的にHbA1cが上がります。たとえば、季節の変わり目に普段は食べない食べ物をたくさん食べたり、頂き物や庭で採れたものを「もったいない」と感じて毎日食べ続けていると、知らない間に血糖値が高い状態が続いてしまうことがあります。

運動不足

運動は、血糖値のコントロールに大きく影響します。普段運動をして血糖値をうまく管理できていても、天候が悪かったり、暑すぎたり寒すぎたりして、ウォーキングなどのいつもの運動ができなくなると、血糖コントロールが悪化することがあります。運動不足が続くと、身体が血糖を効率よく使えなくなり、結果としてHbA1cが上昇します。

ストレス

ストレスは、体にさまざまな影響を与えます。特に仕事や家庭でのストレスが増えると、ストレスホルモンが分泌され、これが血糖値を上げる原因となります。職場のトラブルや家族の問題など、日常生活での精神的な負担がHbA1cの上昇に関係している場合もあります。

体調不良や感染症

体が病気や感染症と戦っている時も、血糖値は上がりやすくなります。例えば、風邪を引いたり、体に何らかの炎症が起きていると、それがストレスとなり、血糖値が一時的に上昇することがあります。このため、病気が原因でHbA1cが急に上がるケースも見られます。

インスリン注射がうまくできていない

インスリン療法を行っている方では、インスリンが適切に注射できていないことも原因の一つです。例えば、「インスリンボール」と呼ばれる皮下の硬化ができてしまうと、注射してもインスリンが十分に吸収されず、血糖コントロールが乱れてしまうことがあります。

当てはまるものはありませんか?

もしHbA1cが急に上がった場合、以下のようなことに心当たりがあるか確認してみてください。

  • 季節の変わり目に、普段食べないようなものを食べることが増えた
  • お中元や庭で採れた食材を「もったいない」と感じ、毎日食べ続けている
  • 最近、風邪を引いていた
  • 天気や気温のせいで、いつものウォーキングや運動ができていない
  • 職場や家庭で強いストレスを感じている
  • インスリン注射が適切にできていないかもしれない

HbA1cの管理は、日常のちょっとした変化でも大きく影響を受けることがあるので、これらの点を意識して血糖コントロールに取り組むことが大切です。

糖尿病の治療

食事療法と運動療法は2型糖尿病の治療における治療の根幹です。

食事療法

2型糖尿病の食事療法は、以下の目的を持っています:

  • インスリン分泌不全の状態を補う
  • 肥満の解消
  •  高血糖以外の生活習慣病態の是正

エネルギー摂取量の設定

総エネルギー摂取量は、目標とする体重や日常の活動量によって設定されます。

総エネルギー摂取量(kcal/日)=目標体重(㎏)×エネルギー係数(kcal/kg)
目標体重の設定
  • 65歳未満:[身長(m)]² × 22
  • 65歳から74歳:[身長(m)]² × 22~25
  • 75歳以上:[身長(m)]² × 22~25
身体活動レベルとエネルギー係数
  • 軽い労作(大部分が座位の静的活動):25~30
  • 普通の労作(座位中心だが通勤・家事、軽い運動を含む):30~35
  • 重い労作(力仕事、活発な運動習慣がある):35~
柔軟な目標設定

総エネルギー摂取量は、目標体重や日常の活動量に基づいて設定されますが、以下の要素も考慮する必要があります。

  • 合併症の程度
  • 脂肪と筋肉のバランス(体組成)

筋肉量が少なく体脂肪率が高い場合、基礎代謝が低下するため、エネルギー消費量が想定より少ないかもしれません。また、筋肉量を増やして基礎代謝をアップさせることでエネルギー消費がしやすくなります。これにより、食事療法と運動療法をセットで考えることが重要です。

エネルギー栄養素の比率

一般的に推奨されるエネルギー栄養素の比率は以下の通りです。

  • 炭水化物:50~65%
  • タンパク質:13~20%
  • 脂肪:20~30%
病状に応じた調整

2型糖尿病の食事療法には明確なエネルギー栄養素比率の設定がない理由は、以下の合併症による制限があるからです。

  • 慢性腎臓病:タンパク質の摂取制限が必要な場合がある
  • 動脈硬化症や肥満症:炭水化物と脂質の摂取制限が必要な場合がある
これらの病気に関する学会から推奨される基準がありますが、すべての推奨を満たす食事制限は困難です。エネルギー栄養素の比率は、必要最低限のエネルギー量を確保しつつ、個人の好みや地域の食文化を配慮して「バランス」を心がけるべきです。また、「制限」だけでなく、不足している栄養素を「補う」ことも重要です。
医師や栄養士と相談して、適切な食事療法を実施しましょう。

運動療法

糖尿病ガイドライン 2019参考

運動1運動療法を開始する前に、網膜症、腎症、神経障害などの合併症や、整形外科的疾患などを含む身体状態を把握し、運動制限の必要性を検討する。
心血管疾患のスクリーニングにかんしては、一般的には無症状、かつ、行う運動が軽度~中強度の運動(速歩など日常生活活動の範囲内)であれば必要ないが、普段よりも高強度の運動を行う場合や、心血管疾患リスクの高い患者では、スクリーニングと、必要に応じて運動負荷試験などを考慮する。
1型糖尿病患者においても単回の適切な運動による血糖値は低下するが、長期的な血糖コントロールへの運動の効果については一定の見解は得られていない。

薬物療法

インスリンイメージ糖尿病の薬物治療の方針は、1型糖尿病と2型糖尿病、病態、年齢、合併症などによって異なります。
1型糖尿病では、インスリンを作ることができないため、インスリン療法が必須となります。
2型糖尿病の治療の基本は食事療法と運動療法ですが、これらを十分に行っても血糖コントロールが得られない場合には、経口血糖降下薬やGLP-1受容体作動薬などの薬物治療が必要になります。
薬物治療には以下のような種類があります

インスリンの分泌を促進させる薬

  • スルホニルウレア薬
  • グリニド薬
  • DPP-4阻害薬
  • GLP-1受容体作動薬
  • グリミン系

インスリンの効きやすくする薬

  • ビグアナイド薬
  • チアゾリジン薬
  • グリミン薬

糖の吸収を遅らせる薬

  • α-グルコシダーゼ阻害薬

尿に糖を出すことで血糖を下げる薬

  • SGLT2阻害薬

各個人の病態に応じてこれらの薬剤を調整していきます。また、インスリン療法が適応となる場合もあります。

インスリン療法が必要となる方

  • インスリン依存状態:インスリンの分泌がほとんどない
  • 著しい高血糖
  • 高血糖による重篤な状態
  • 飲み薬で良好な血糖コントロールができない場合
  • 感染症の治療中や手術を行う場合
  • 糖尿病合併妊娠
  • 血糖が上がる作用のある薬を使用しなければいけない場合 など

糖尿病の治療目標

糖尿病治療の目標は、血糖値だけでなく、血圧、体重、血清コレステロール値なども良好にコントロールすることです。これにより、合併症の発症や進行を防ぎ、糖尿病のない人と変わらない日常生活を送ることや、健康な寿命を確保することを目指します。

●画像(糖尿病_血糖目標) (参考)糖尿病診療ガイドライン2019

高齢者糖尿病患者さんの注意点

65歳以上の糖尿病は「高齢者糖尿病」と呼ばれますが、特に75歳以上の糖尿病患者さんでは、心不全、脳卒中、低血糖のリスクが増加します。膵臓のβ細胞からのインスリン分泌能が低下したり、活動の低下によって筋肉のインスリン抵抗性が増加するほか、サルコペニア肥満といった状況に陥りやすくなります。高齢者糖尿病患者さんには、日常生活の活動量に配慮した治療方針を立てる必要があります。

●画像(糖尿病_高齢者糖尿病治療目標)(参考)高齢者糖尿病診療ガイドライン2023.p 94,南江堂,2023

サルコペニア肥満とは

サルコペニア肥満とは、高齢の方に見られる主な肥満の形態です。「サルコペニア」とは、筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下している状態を指します。つまり、サルコペニア肥満は筋肉量の低下と肥満が結びつき、さらにインスリン抵抗性、炎症、酸化ストレスを引き起こす状態です。

シックデイとは

糖尿病の方が風邪をひいたり胃腸炎になったりして体調が著しく悪くなったときは、「シックデイ」(sick day)と呼ばれます。発熱、咽頭痛、咳、嘔気、下痢などの体調の変化は体にとってストレスとなります。体内ではストレスホルモンが分泌され、異常事態に備えようとしますが、ストレスホルモンは血糖値を上昇させる作用があります。また、シックデイでは体内でインスリンの働きが悪くなっているため、普段よりも静かに生活していたとしても血糖値が高くなることがあります。
逆に、体調が悪くて食欲が低下し、実際に食事が摂れない場合に、インスリン注射や血糖を下げる薬を通常通りに投与すると、低血糖を引き起こす可能性があります。そのため、インスリンの注射や血糖値を下げる薬の調整が必要になることがあります。

シックデイでの対策

その①~自己チェック~

体温、血圧、体重、食事の量、血糖値を確認し、病院へ報告できるようにしましょう。

その②~薬の調節の目安を知ろう~

食事が全くとれない場合でも、基礎インスリンの注射は継続が必要です。追加インスリンは食事の摂取量に応じて調整が必要です。自己血糖測定ができる人はこまめに確認しましょう。
血糖を下げる薬に関しては、薬剤によって異なるため事前に主治医に確認しましょう。食事がとれない際にはほとんどの薬は休薬が必要です。

その③~安静と脱水への対策~

体の消耗を防いで、脱水にならないようにする必要があります。こまめに水やお茶を摂取しましょう。食事は、できるだけ消化のよい食べ物(おかゆ、スープ、うどん、ゼリー)などを食べましょう。
困った際は自己判断せずに病院を受診してください。