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突然全身に起こる蕁麻疹はストレスが原因?(大人)

蕁麻疹とは

蕁麻疹イメージじんましんは、突然皮膚に赤く蚊に刺されたような発疹が現れ、かゆみや焼けるような感覚を伴います。発疹はしばしば膨れ上がり、その形は円形や線状などさまざまで、数十分から数時間後には何もなかったかのように元の肌に戻ります。まれに、1日以上続くこともありますが、これは非常にまれです。じんましんは、一つの皮膚の部分に限らず、身体全体に広がることもあります。

蕁麻疹はストレスや疲れが原因?

蕁麻疹じんましんは、アレルギー反応が原因と思われることが多いですが、食べ物や薬、感染症、ストレス、疲労、運動、寒暖差など、さまざまな要因が関与します。約7割の患者さんでは、原因がわからない特発性のじんましんです。過敏な体質に加え、特定の食べ物の摂取やストレスなどの複数の要因が組み合わさることで、体が耐えきれなくなり、「コップから水が溢れるように」症状が現れることが多いです。

突然全身に起こる蕁麻疹の原因

じんましんが突然全身に生じると、多くの方が驚かれると思います。じんましんは、特有の症状と発疹が見られるため、通常は病歴を聞き、症状を観察することで診断されます。ただし、発疹が短時間で消えることが多いため、診察時には症状が落ち着いていることがよくあります。発症時の写真があると、診断の助けになります。アレルギー性が疑われる場合には、アレルギー検査が行われることもありますが、非アレルギー性の場合は原因を特定できないことが多いです。

蕁麻疹の種類

急性蕁麻疹

急性蕁麻疹は、発症して1ヶ月以内のもので、細菌やウイルス感染などが原因となっていることが多いです。

慢性蕁麻疹

慢性蕁麻疹は、発症して1ヶ月以上経過したもので、原因が特定できないことが多いです。

アレルギー性蕁麻疹

アレルギー性蕁麻疹は、食べ物や薬剤、昆虫などに含まれるアレルゲンに反応して起こります。

コリン性蕁麻疹(お風呂に入ると蕁麻疹が出る)

コリン性蕁麻疹は、入浴や運動に汗をかくと現れる蕁麻疹です。

物理性蕁麻疹

物理性蕁麻疹は、機械的擦過や圧迫、寒冷、温熱、日光、振動などといった物理的刺激によって起こります。

イントレランス

イントレランスは、非ステロイド系消炎鎮痛薬と呼ばれる痛み止め、造影剤、食品中のサリチル酸などにより起こります。

血管性浮腫(クインケ浮腫)

血管性浮腫(クインケ浮腫)は、唇やまぶたなどが突然腫れあがり、2~3日かかって消えます。薬剤性以外に遺伝性のものである場合が稀にあります。

食品中の化学物質とアレルギー様反応の関係

食品中には、薬理活性を持つ何千種類もの化学物質が存在しており、その一部は食品の保存や味、外観を改善するために添加されています。これらの化学物質には、ヒスタミンやサリチル酸塩のような天然の食品化学物質もあれば、グルタミン酸塩、亜硫酸塩、安息香酸塩のような食品添加物も含まれます。これらの物質が、真の食物アレルギーとは異なる機序でアレルギー症状(じんましん)を引き起こすことがあります。

ヒスタミンに似た物質を多く含む食べ物

青魚(特に鮮度が落ちたサバ・イワシなど)、発酵・醸造食品(チーズ・ワイン・ビール・みそ・しょうゆなど)、野菜や果物(ナス・トマト・ヤマイモ・タケノコ・アボカド・バナナ、パイナップル・キウイフルーツなど)、肉類(牛肉・豚肉・鶏肉など)、チョコレートなど

サリチル酸を多く含む食べ物

野菜や果物(もも、リンゴ、イチゴ、トマト、オレンジ、パイナップル、ブドウ、じゃがいも、きゅうりなど)、食品添加物(防腐剤、人工色素、酸化防止剤)

他の物質

香辛料など

蕁麻疹の治し方

内服薬イメージ基本的には、抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)の飲み薬が第一選択となります。重症の場合は、短期間だけステロイド薬を使用することもあります。原因がはっきりしている場合は、その食品、花粉、ハウスダストなどの要因を避け、また、悪化要因(ストレス、感染、不規則な生活など)の解消にも努める必要があります。じんましんが慢性的に続く場合は、症状が出ていない時期にも長期間にわたり薬を内服する必要があります。症状が抑えられるようになれば、徐々に薬を減らし、その後慎重に中止していきます。

じんましんの注意点

じんましんによるかゆみが強く、掻くと一時的に症状が和らぐことがありますが、範囲が広がったりかゆみが悪化することがあります。さらに、掻きむしることで皮膚を傷つけてしまうこともあります。薬をしっかり飲んだり、冷やしたりするなどの対処を行い、できるだけ掻くことを避けましょう。
治療に使用される抗ヒスタミン薬の副作用として、眠気がよく見られます。眠前のみ内服すればよい種類の薬や、比較的眠気が少ない薬もあるので、眠気が強い場合は医師に相談しましょう。
大人における食物アレルギーによるじんましんは珍しいです。よくあるカニやエビなどの甲殻類、そばや小麦などのアレルギーは、子どもの頃に食物アレルギーを起こしていて、既にわかっているケースがほとんどです。食物アレルギーではなく、じんましんを引き起こすヒスタミンやヒスタミン様物質が多量に含まれている食品の摂取や、サリチル酸アレルギーでサリチル酸を含む食品の摂取が原因の場合があります。じんましんが出る前にこれらの食品を食べていないか、確認しましょう。